B1F展示室



「影武者」武田屋形・御裏方・一室


Akira Kurosawa Centenary Exhibition All For Cinema

  • Period: September 4 (Sat) - October 11 (Mon)
  • Closed Day:Monday(if Monday is a national holiday or a substitute holiday, it is the next day)
  • Admission:Adults ¥1,000/College Students ¥800/High School and Junior High School Students, Over 65 ¥700

画コンテを描く時、随分、いろんな事を考える。その場所のセッティング、その場面に出る人物の心理や感情、その人達の動き。それを掴まえるキャメラ・アングル、光線の状態、衣装や小道具、そう云ういろんな事を具体的に考えないと、その場面を画には描けない。
いや、それを考えるために画コンテを描くのだ、と云った方がいいかも知れない。
私は、そうやって、映画の一つ一つの場面のイメージを眼に見える様にかため、ふくらませ、しっかり掴んで、それから映画の撮影に臨む。
しかし、どうもこの作業は、シナリオを書く時から、私の頭の中で始まっているらしく、書き損なった原稿用紙の裏にいろんな画が描いてあるのを時々見つけることがある。
黒澤 明


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没後10年以上を経た今なお、映画界に燦然とその名前が輝き続ける巨匠、黒澤明。青年期には画家を志し、18歳で二科展入選を果たすほどの腕前でありながら、映画製作の道を選ぶと同時に「二兎を追う者は一兎も得ず」と潔く筆を折り、すべての絵画作品を焼却。それから半世紀以上を経て、映画『影武者』を製作する中で再び絵筆をとり、作品にかける熱い思いを丹念に描きあげたのが「画コンテ(=絵コンテ)」でした。以来、画コンテは黒澤にとって映画製作に欠かせない重要な創作過程の一つとなり、生涯2,000点を超す作品を残しました。
完成された映画と見比べると、その人物描写、衣装、装置、照明、構図がほぼそのままに再現されていることに驚かされます。緻密に描きあげられた画コンテの数々には、「映画の1コマ1コマが1枚の写真のように美しい」と評された黒澤映画の原点を見ることができます。
緻密で芸術的な黒澤の画コンテは、映画界のみならず美術界からも熱い注目を集めており、昨年のパリ市立プチパレ美術館、トルコ共和国イスタンブール市のペラ美術館をはじめ、世界の由緒ある美術館で画コンテ展覧会が開催されました。本展では、2,000点の画コンテから厳選した約140作品に加え、映画『夢』でゴッホ役を演じたマーティン・スコセッシ氏が所蔵する画コンテ10作品(予定)を日本で初公開。躍動感溢れる作品の数々を通じて、その芸術性の高さとともに、天才と呼ばれた黒澤がいかに緻密に準備を重ね、丁寧に真摯に映画創りと向き合っていたかをご覧ください。



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黒澤 明 (1910-1998) Akira Kurosawa
東京生まれ。1936年にPCL(東宝の前身)に入社。以来、62年間にわたり映画作りに傾倒し、世界に数多くの功績を残す。43年「姿三四郎」で監督デビュー。主な作品に50年「羅生門」(ベネチア国際映画祭 金獅子賞)、54年「七人の侍」(ベネチア国際映画祭 銀獅子賞)、80年「影武者」(カンヌ国際映画祭 パルム・ドール賞)など。85年に文化勲章受賞、90年には米アカデミー賞 特別名誉賞受賞。



 

左)「影武者」設楽原・決戦場
右)「乱」草原・巻狩の秀虎




 

左)「夢」桃畑・段畑・絢爛豪華な雛人形達の舞
右)「影武者」鳳来寺・医王院の武田信玄