3F展示室

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左)ストーリーヴィル、ニューオリンズの赤線地帯 E・J・ベロック 1912年
右)「ヌード」より 中村 立行 1956年

私を見て!
ヌードのポートレイト

  • 会 期: 2010年7月31日 ( 土 ) ~ 10月3日 ( 日 )
  • 休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
  • 料 金:一般 500(400)円/学生 400(320)円/中高生・65歳以上 250(200)円 ※10/1(金)都民の日は無料  

( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引(トワイライトカードは除く)/
小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/東京都写真美術館友の会会員は無料/第3水曜日は65歳以上無料

本展では東京都写真美術館の2万5千点余におよぶコレクションから選りすぐられた作品を基に構成し、ポートレイトのなかでも主にヌード写真を取り上げます。
ヌード写真には、写されている人間を「個人」として写しているものから、オブジェなどと同じように、美しい曲線を持つ物体として捉えているものまで、多様な作品が存在しています。ヌードの表現も他の写真表現と同じように、19世紀のピクトリアリズムの時代には、古典絵画を手本とした構図のヌード、そして20世紀に入ると写真本来の機能を生かしたようなモダニズム的なヌードと、表現の方向性が時代によって変化しています。そして被写体もモデルやダンサーなどから、恋人、家族から自分自身を捉えたものなど、対象も広がっていきます。
社会や風俗、思想などが絡み合うヌードの表現。単なるポートレイトではなく、あえて服を脱いだ人を撮影することで、写真家たちは、どのようにそれぞれの時代を捉えようとしたのでしょうか。これらの表現を通して、その時代の社会が持つ問題や意識の相違などが浮かび上がってくることでしょう。


[主な出品作家]
秋山 庄太郎、荒木 経惟、小関 庄太郎、緑川 洋一、有田 泰而、大竹 省二、篠山 紀信、沢渡 朔、立木 義浩、吉川 富三、石井 幸之助、中村 立行、深瀬 昌久、淵上 白陽、細江 英公、小川 月舟、横須賀 功光、大辻 清司、永江 博、ジュディ・デーダー、パティ・レヴィ、ダイアン・アーバス、サリー・マン、フランツ・ロー、ウンボ、ビル・ブラント、エメット・ゴーウィン、ロール・アルバン=ギヨ、E・J ・ベロック、ロベール・ドマシー、クラレンス・H・ホワイト、ユージン・フランク ほか多数

 

写真黎明期のダゲレオタイプから平成になって発表された作品まで、4つのパートに分けて幅広く展示します。

(出品点数150点)

 

第1章 「邂逅(かいこう)」
写真が発明された頃、かなり早い時期からダゲレオタイプによるヌード写真が撮影されていました。一方、絵画の世界において、ヌードの絵画作品のほとんどは、旧約聖書のイヴやギリシャ神話のアフロディテ(ヴィーナス)のように物語の中の人物でした。1865年にフランスのサロンに出品した、マネの現実の娼婦を描いたといわれる作品「オランピア」が、当時の世論に非難されたように、19世紀末まで裸の実在の人物を描くことはタブーとされていました。ヌード写真も、公に発表され、人物が特定できるような写真が撮られるようになるのは、もう少し時代を経てからになります。
第1章では日本の幕末から明治初期にかけての写真を取り上げます。これらの写真は、主に海外へのお土産として製作された写真ですが、当時の日本の風俗、風習を垣間見ることができます。一般的な肖像写真とは異なった性格のものですが、日本における人物表現の一端をなすものとして紹介します。

 

第2章 「表現」
写真が普及し始めたころ、その正確な描写に人々は驚いたとともに、リアルに写され過ぎることに嫌悪を覚えた場合もあったようです。ましてや写真で撮られた現実の裸は、生々しく、絵画のように美しい姿ではありませんでした。絵画作品を規範としていたピクトリアリズムのヌード写真は、ソフト・フォーカスなどの技術を駆使し、モデルのポーズなども有名な絵画にまねて、理想化された表現を追い求めていきます。それゆえに個人としての人物として描写するよりも、曖昧に象徴的な存在となされている場合もあります。しかし、次第に写真が本来持っている機能を生かし、絵画とは離れた新しい芸術性や記録性をもつ表現が表れていきます。

 

第3章 「家族」
ヌード写真の被写体というと、女性モデルを思い浮かべますが、家族を被写体にした作品も多く存在します。その対象は恋人や妻だけでなく、子どもなど、家族そのものも取り上げています。第3章で取り上げる写真は、単なる幸せな家族の記録ではありません。ちょうど時代は、「核家族」という言葉をメディアがとりあげ始めた頃にもあたり、家族のあり方が変化してきた時代を反映しているともいえましょう。家父長制度のもとにあった父、母、子どもといった典型的なヒエラルキーの崩壊とともに、家族愛といった言葉に入れ込むことのできない感情や関係が作品に表れています。

 

第4章 「自己(アイデンティティー)」
ヌード写真には、人間の身体の曲線やボリュームを利用して、美しいオブジェのように扱う優れた作品もあります。ここではそうではなく、被写体を一人の人間として注目した作品を取り上げます。有名なモデルやタレントといった人もいますが、女性ばかりでなく男性や自分自身をとらえたセルフヌードなど、被写体もさまざまになります。裸になることによってその人物の個性や自己といったものが一層立ち上がっている作品は、単に美しいと感じるだけではない感情を呼び起こさせるでしょう。

 

 

左)北緯28°26′ 立木 義浩 1970年
右)FIRST BORN #19 有田 泰而 1973年


関連イベント

記念講演会「ヌード写真について」
2010年8月29日(日) 15:00~  終了致しました
講師:高階 秀爾(大原美術館館長)
会場:1階ホール 
定員:190名
受付:当日10時より当館1階受付にて本展覧会の半券をお持ちの方に整理券を配布します。
※14時 30分より整理番号順入場、自由席。
担当学芸員によるフロアレクチャー
2010年8月13日(金) 16:00~  終了致しました
2010年8月27日(金) 16:00~  終了致しました
2010年9月10日(金) 16:00~  終了致しました
2010年9月24日(金) 16:00~  終了致しました
※本展覧会の半券(当日有効)をお持ちの上、会場入り口にお集まりください。

展覧会図録

展覧会関連書籍「肖像 ポートレイト写真の180年」
「侍と私」「私をみて!」「20世紀肖像」各展の代表的な出品作品187点を掲載しています。
A5判 168ページ 1,890円(税込) 発行:講談社

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■主催:東京都 東京都写真美術館
■協賛:凸版印刷株式会社
■協力:講談社